語りたい世界を語れ!あなたにも今日からできる「キャプション自撮り」
![]()
この記事は バーチャルケモミミ Advent Calendar 2025 の 11 日目の記事です。 昨日は GlinT さんの PaLASOLUの設計思想、的な。でした。
アバターに入れるタイプのパーティクルライブ、ギミックの亜種として見るとやはり独特ではありますねえ。それでツールまで作っちゃうのは勢いがあってすごい。
この記事は主に美少女アバターを使用している VRChatter に向けて執筆されていますが、VR で何らかの人型アバターになったことがある方なら読めると思います。
自己紹介
詳しいことは About に譲るとして、 kb10uy といいます。 バーチャルケモミミ的には主ににりみすに生息しています(@kb10uy@misskey.niri.la)が、普段は基本的に :don: にいます(@kb10uy@mstdn.maud.io)。
VRChat を始めたのは 2020/03 なのでかれこれ 5 年半以上プレイしていることになりますね。フレンドに相対的に若い人がどんどん増えていてひっそりと老いを感じています。
アバター観
さて、みなさんは自分と自分のアバターの間にどのような関係性を定義しているでしょうか? あるいは、みなさんにとって自分のアバターとはどういう存在でしょうか?
- 自分がバーチャルな存在になったとして、最も"魂の形"になじむ姿
- 今の自分がなれるものならなりたい、(魂の形を変えてでも)なりたい姿
- 自分が好きな要素が詰め込まれた、最強にかわいい存在
- 恋愛的な意味でのタイプの女性、あるいは親しい間柄になりたい・なりたかった子
- etc…
また、アバター改変をしているみなさんにとって、「元のアバター」と「自分が改変したアバター」はどれくらい離れたものだと認識していますか?1
- 改変してもそのアバターはそのアバターであり、自分を含めた他の存在からアイデンティティーが混ざることはない
- 自分の精神が多少反映されているが、元のアバターとして認識することに違和感はない
- 改変によってそれなりに元のアバターから離れた存在になっていて、呼び方はともかく元のアバターに近い存在として認識されることに違和感がある
- あくまで改変のベースして元のアバターがあるのみで、アイデンティティーとしては完全に別の存在である
- etc…
このような問いに対する立場のことを僕はアバター観と呼んでいます。勝手に言っているだけなので一般的な語彙ではないけどね。 このアバター観についてを頭の片隅に置きながら読み進めていただけるといいかもしれません。
補足
「そんなことを言われてもよくわからないよ!」という方は、より具体的に以下のようなシチュエーションにおける自分の立場やフレンドからの認識を振り返ってみるといいかもしれません。
- 自分がアップロードした内の特定のアバターを指すとき、口頭でどのように表現するか
- 逆に「フレンドから言及されるときどのような表現になるか」というのもある
- 意外と個性が出ます
- 自分の前に自分のアバターがそっくりそのまま現れたときにどういう感情になりそうか
- この表現だとちょっとリアリティーがないですね
- 「自分のとかなり近いアバター改変2の存在を認知する」ぐらいなら比較的起きうる
他人性
先ほど挙げた 2 つの問いですが、大まかにはどちらも 「どれくらい『他人』であるか」 という尺度に帰着することができます。
- 自分とアバターの間の他人性
- 小: 自分のアバターは自分自身であるから他人として見るのはどうにも気持ち悪い
- 大: 自分のアバターは到底自分がなれそうな存在ではない(むしろ自分ではないからこそ完成している)
- 元のアバターと自分の改変アバターの他人性
- 小: 見た目が違っていても元のアバターの子がおしゃれ・イメチェンしているまでで、決して他人になっているのではない
- 大: 元のアバターと色しか違っていなくても絶対に別の子であり、自分の改変を元の子の名前で呼び続けることに強い違和感がある
なんだかよくある性格診断の設問みたいになってしまいましたが、この他人性を自分がどれくらい認識している・持っているのかについて考えるのは重要です。
やろう!キャプション自撮り
前置きがかなり長くなってしまいました。 記事タイトルにもあるように、 みなさんも自分のアバターを一人のキャラクターとして擁立してキャプション付きの自撮りを投稿しよう! というのがこの記事の本題になります。 キャプション(見出し、説明文、字幕などの意)とありますが、添える文の内容はセリフに留まらずキャラクター紹介やフレーバーテキストなどさまざまです。
後述しますが、このキャプションの内容を考えていく上でアバターの他人性に対する立場が重要になります。
kb10uy の場合
実際に僕の過去のツイート等を用いて説明していきましょう。
まず、僕はどちらの他人性もかなり高く見ている立場です。 よく 「夏稀だけは唯一自分の分身でもあるけど、詩結とか他の子は基本的に自分ではない存在で僕はあくまでアクターに徹している」 という説明をするのですが、何も知らない人からすればこの一文だけで相当異質に見えるのではないでしょうか。 自分のアバター改変に対して自分とも元のアバターとも関係ない名前をつける人自体がほとんどいませんしね[独自研究]。キャラクターとしての元のアバターのアイデンティティーもまず参照しません。名前が決まらない間に便宜的にアバター名で呼ぶくらい。
そのような思想のもと展開されているのが、通称 kb10uy ワールド です。 いわゆる「うちのこ」が属し共有している世界観で、今のところ主人公に相当する kb10uy3 とヒロインもとい独立したアイデンティティーをもつ 8 人がいます。
これらの設定をベースとして、日常のワンシーンを切り取ったような構図4の自撮りにセリフや SS (ショートストーリー)を添えてツイートしているわけですね。
> ……
— kb10uy (@nutskey935) June 17, 2025
「どしたん」
> 夏稀もずいぶん落ち着いたというか、はしゃがなくなったよなあって
「いやー、見かけだけだよ〜。頭の中ではもっといろんなこと考えてるもん」
> 別に今だって出してけばいいじゃん、言うだけタダってやつだよ pic.twitter.com/Sy8MmSgYSp
構成
実際にキャプション自撮りができるまでの手順を解説します。
ここでは僕が実践しているメソッドをもとにしていきますが、必ずしもこれが正解というわけではありません。 キャプション自撮りにおいて、衝動は何よりも優先されるべきです。 チンタラ考えてないでツイートしたくなったらすればええ。
0. 恥を捨てる
兎にも角にもこれがなきゃ始まらない。
ここで言いたいのは決して Twitter でオモチャにされてしまうような痛い文章を書けるようになれということではなく、恥ずかしさによって自分で自分にリミッターをかけてしまっている部分を取り除いていこうみたいなことです。 言い方を変えれば素直になりましょうということです。性癖とかに。
1. 自分の表現したいものと向き合う
アバター改変をしているのならば、そこには何らかの形で「他のプレイヤーに個性として認識してほしいもの」が存在するはずです。 アバターの自撮りなどを投稿しているならば、そこには「フォロワーに伝えたいもの」が存在するはずです。
普段なんとなくこれらの行為をしている方も、一旦これらの表現意図にフォーカスを当てて考えてみましょう。 考えた結果得られた結論そのものを公表する必要はありませんが、言った方が周りの人がそれに寄せてくれて結果的にハッピーになれるかもしれないのでお得です。 また、考えることによって結論そのものが歪んでしまうのではないかと思われるかもしれませんが、その人自身の「味」はそう簡単に変わらないので安心してください。
僕にとっては、これは「各キャラクターの日常の一コマ、あるいは性格をよく表したスチル」です。
2. アバターの立場を決める
ここから自分のアバターの他人性が重要になります。「写真に映るアバターは結局誰なのか?」をここで決めましょう。 今の自分、理想の自分、元のアバターの子、あるいは全然違う人でも大丈夫。 これによりキャプションの方向性が確定していきます。
僕の場合は「元のアバターとも自分とも分離している他人」になっています。
3. アバターの性格などを決める
2 で決めた立場によりますが、キャラクター性を強く出していく場合はここで基本的な性格を決めます。 自分の延長線上にある立場の場合は普段の発言とそこまで変わらない性格を設定するのがよいでしょう。
ここからは複数アバターで展開する場合について。 僕は新しいキャラクターを設定する際に他の子と被らないようにしていますが、最初はあまり気にしなくてよいと思います。差別化しようとして性格などがちぐはぐになってしまっては本末転倒です。 また、違うアバターでも 2 で決めた立場的には同一アイデンティティーになるといった場合はもちろん同じ性格で統一するのがよいですね。
4. アバター改変をおこなう・撮影する・ストーリーを考える
これら 3 つの作業は 1 でいうところの表現したいものが何から来るかによって順序が変わってきます。あなたのヘキはどこから?ってやつですね5。 どれ駆動でも大きくは変わりませんが、微妙にコツが違う(と勝手に思っている)気がします。
4-1. アバター改変駆動
ここでいう改変は衣装を含まない、「本人」単体を指します。 この子はこういう所作をするに違いない、こういうシチュエーションが合うに違いない……みたいな。
この場合は性格はある程度細かめに作っておきましょう。余裕があれば口調とかも設定できるといいかもね。 特に新しい改変をこのパターンで出していく場合、第一印象がかなりキャプションに左右されます。
4-2. 写真駆動
撮った写真が思ったよりよく撮れたとか、いいワールドを見つけて自撮りが捗ったとか、あるいは良い衣装を見つけたのでみんなに見てほしいとか。
この場合はベースの設定を多少崩して写真に合ったセリフや世界観にすることも検討しましょう。この世にはパラレルワールドという魔法の言葉がありますからね。 とにかく、全体のビジュアルからあなたが受け取った印象をスムーズに表現することが重要です。
4-3. ストーリー駆動
ストーリー展開や全体のシチュエーション側に主眼があることもあるでしょう。「なんとしてでもうちの子で百合を描きたいんだ!」みたいな感じで。
このパターンについて僕が 2 年以上 kb10uy ワールドを運用(?)した結果得られた結論は、 「ストーリーそのものは見切り発車でいい」 です。 多くの場合、一度に表現できる世界の範囲はごく狭いものになりがちです。ストーリーを最初から最後まであらかじめ設定した上でそれに沿って連続するようにキャプション自撮りを展開していくのはかなり困難です。 アドホックに柔軟にやっていきましょう。
5. 書く
がんばれ!
文章力とか想像力とかが最も試されるパートになります。 自分が納得するまで文章を練りましょう。
6. 投稿する
勇気を出して投稿しましょう!
これできみもキャプション自撮りerの仲間入りだ!
おわりに
みなさんがキャプション自撮りをしてくれると僕が喜びます。みなさん自身の、アバターに対する解釈というものを僕は見たいのです。 よろしくお願いします!!!
明日はるいざ・しゃーろっとさんです。
おまけ: kb10uy ワールド
> で、その……?詩結さん、何の用で……?
— kb10uy (@nutskey935) July 24, 2025
「こらっ。もう家族なんだから『詩結さん』はおかしいでしょ?それに敬語じゃなくていいから」 pic.twitter.com/ZHcLl6vgjH
「メイク……わかんないな……」 pic.twitter.com/aU9OxNVxYb
— kb10uy (@nutskey935) April 14, 2025
「え!?そ、それデートってこと?」 pic.twitter.com/I67k2ihBfp
— kb10uy (@nutskey935) March 4, 2025
「好きな子に意地悪したい小学生じゃあるまいし、終わった仕事ぐらい素直にすぐ報告してくれればいいのに……」
— kb10uy (@nutskey935) February 14, 2025
「……それとも本当に私のことが好きで困らせたいんですか?それも別に素直に言ってくれていいんですよ、別に拒んだりしないので」 pic.twitter.com/SsxwRJkRYo